英語教育に関するニュース

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日本の大学にいる外国人留学生が、小学校の英語授業に協力する事例が増えています。
こうした活動では、留学生との楽しい交流を通じて小学生の英語への関心を高めることを狙っているようです。
都内と北海道の大学での試みを、新聞記事から見てみましょう。


小学生の英語 助っ人は留学生

2020年度から完全実施される新学習指導要領では、小学3年で外国語活動が始まり、5年から英語が教科に格上げされる。小学校の英語教育を支援することで地域に貢献したいと、各地の大学は外国人留学生たちの力を借りて、自治体や地域との連携事業を進めている。

大学と自治体が連携

今年2月、明海大(千葉県浦安市)のキャンパスを東京都足立区立西新井小の5年生約90人が訪れた。児童はクラスごとに中国ゴマなど外国の遊びを体験し、英語の絵本の読み聞かせに耳を傾けた。

外国人教員による授業では、英語で説明を聞きながら色紙で七面鳥のキャラクターを制作。最初に完成させた男子児童は教員から「Good Job!」と声をかけられると、恥ずかしそうに「Thank you」と返した。

約5時間の滞在をサポートしたのは、同大の留学生や日本人学生約80人だ。一緒に昼食を食べ、児童が持参した竹刀で剣道も体験した。ジェスチャーを交えて「3匹のこぶた」を英語で読み聞かせしたネパール出身の留学生は「母国語ではないので発音を何度も練習した。英語が好きだと思ってもらえたらうれしい」。

留学生と好きなアニメの話をした女子児童は「相手の話していることがわかった。もっともっと話せるようになりたい」と声を弾ませた。

事後アンケートでは児童も留学生も90%超が「楽しかった」と回答した。

足立区によると、区立中学校には全校でALT(外国語指導助手)を導入しているが、小学校では外国人と接する機会はほとんどない。小学校英語教科化への対応や英語力定着を目指し、区は今年1月、学部生約4千人のうち留学生が約14%を占める明海大と連携協定を結んだ。

留学生と中学生の交流会は今年すでに2回開いたが、小学生は初。対象の児童は英語を学び始めて7ヵ月ほどで、同大の教員は「遊び、楽しみながら英語に触れる」ことを意識した。同大のネイティブの教員らでチームを作り、区や小学校教員と約半年間かけてプログラムを練った。

同大の副学長は「大学の持つ研究ノウハウで地域に貢献ができ、留学生にとっても異文化理解になる。まさにウィンウィンの関係」と話す。足立区の担当者は「まず外国人と接する機会を作り、コミュニケーションの楽しさを感じさせる。そして臆せずに自分から英語を使えるようになってほしい」。

連携は交流事業だけにとどまらない。同大の教員が区内の一部の小中学校で英語の授業を見学し具体的な指導方法の改善にもあたる。文部科学省は2019年の全国学力テストから試験科目に英語を加える予定で、区はここで全国平均並みの結果が出ることにも期待を寄せる。

楽しみ どう教育につなげるか

札幌大(札幌市)でも2008年から、札幌市立小学校2校を対象に年2回、英語の協力授業を行ってきた。

今年6月(2017年)には、大学近くの市立西岡小の3、4年生約120人が参加した。動物をテーマに「背の高いキリン」などの表現をゲーム形式で学ぶ。外国人留学生と日本人学生約20人がサポートし、英語と日本語で絵本を読み聞かせた。

同大の担当者は「プログラムは毎年好評で、小学校からのニーズは途絶えない」。学生たちも、実際の教育現場での経験をその後の学びに生かすことができているようだ、という。
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朝日新聞 平成29年11月25日 朝刊 「教育」より
円山史記者

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