英語教育に関するニュース

私立中学、英語で志願者掘り起こし
私立中学校受験が多様化。2017年度は英語科導入など進む。

先日、私立中学で英語入試の導入が進んでいること(※)をご紹介しましたが、2017年度私立中学入試の特徴として、「英語科を選択できる入試」実施校が前年度に比べて大幅に増えたことがあります。

※参考記事:

英語入試を実施している学校の多くは、すでに独自の英語授業カリキュラムを持っています。こうした学校は英語授業の内容をさらに充実させ、生徒の英語力を強化したいと考えています。そのため、現時点で既に英語の実力がある生徒か、今後英語力が伸びる可能性の大きい生徒を掘り起こししたいと考えているようです。
英語入試実施校の英語授業事例や、英語入試で受験者に求められているポイントについて、新聞記事から見てみましょう。


英語で志願者掘り起こし

私立中学の入試が大きく様変わりしている。新たな層の受験者を掘り起こそうと英語を取り入れたり、人気の公立中高一貫校と併願しやすいよう公立の入学者選抜「適性検査」に似た教科融合問題を出したり。多くの学校が入試の選択肢を増やし、受験者の確保に力を入れている。多様化する中学入試の現状を報告する。

■ 大学入試改革受け

「Hello」「Hi, how are you?」――。モニター画面に映る講師の呼びかけに、ヘッドホンを着けた生徒が笑顔で応えた。

11月22日、東京都千代田区の麹町学園女子中学校。3年生のオンライン英会話の授業で、約20人がフィリピンにいる講師とマンツーマンの会話を楽しんでいた。生徒のAさん(15)は「1対1だと話さないわけにいかないので良い訓練になる」とほほ笑んだ。

同校は今年度、英語教育を全面的に改革。音声活動に重点を置き、月2回のオンライン英会話はその一環だ。
併せて入試も見直し、2017年からは「英語リスニング」と「英語と日本語による面接」を柱にした入試を始める。英語の授業などで中心になる子を入学させたいとの狙いで、英語科主任の教諭は「面接では語学力そのものより、間違いを恐れずに話そうとする意欲、積極性を評価する」考えだ。

20年度の大学入試改革で、英語は「聞く、読む」中心から「話す、書く」を加えた4技能を評価する方式に変わる予定だ。小学5年生からの正式教科化も決まっている。

■ 首都圏で約80校

この流れを受け、ここ数年、選択科目などとして入試に英語を導入する私立中学が急増。中学入試の模擬試験などを行う首都圏模試センター(東京都)によると、難関校は行ってないところが多いものの、東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城の1都4県約310校のうち、15年は33校、16年は64校が実施。17年は80校を超す見通しだ。

こうした中、難関校の市川中(千葉県)が17年、初めて選択科目に英語を取り入れ、記述と作文の入試を行う。問題は英検2級(高校卒業)程度と高水準だが、同センターの担当部長は「先行する他校の例から、英語能力の高い子は他教科の成績も良いと分かっている。市川中は毎年約3000人が受験する人気校で、他校に与える影響は大きい」とみている。
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■ 英検資格で加点

共立女子第二中(東京都)はネイティブ講師を相手にしたスピーキングや、イラストを見て英語で簡単な説明を書く新試験で4技能を測る。また、早稲田摂陵中(大阪府)は、200点満点中50点分を英検などの資格や実績で評価する入試を行う。英検2級以上なら50点、4級なら30点だ。

一方、宝仙学園中理数インター(東京都)は17年、英語による自己PR入試を実施。小学校で打ち込んだ活動などについて話してもらい、コミュニケーション能力や発表・説明能力をみる。富士晴英校長は「中学受験のために何年も塾に通う必要はない。堂々と英語で話す意欲や熱意のある子どもを選び、世界に通じるグローバルリーダーに育てたい」と話している。

≪私立受験者数持ち直し≫

1都4県の私立中学受験者(国立を含む)は、首都圏模試センターの推計で2007年の約5万5000人をピークに減少し、14年は約4万2800人となった。同センターは「リーマン・ショック以降、学費負担を重く感じる保護者の増加に拍車がかかるとともに、英語やスポーツなど習い事に価値を見いだす親も増えた」と分析する。
ただ、入試の選択肢が増え、人気の高い公立中高一貫校と併願しやすくなったこともあり、16年には約4万3700人とやや持ち直した。
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その公立中高一貫校は「ゆとりある学校生活」を主目的に1998年、学校教育法改正で設置が認められた。衆参両院委員会の付帯決議に沿って、文部省(当時)は「受験エリート校化しない」「受験競争を低年齢化させないよう入学者決定で学力試験をしない」ことを都道府県教委などに要望。このため教科ごとの試験でなく、「適性検査」と称して複数教科の要素で作った問題や作文を課している。
だが、現状は、質の高い進学教育への親の期待もあって受検競争が過熱。「適性検査も年々難化し、小学校の勉強だけでは太刀打ちできない」(東京の塾関係者)のが実情だ。


読売新聞 2016年12月2日朝刊 「くらし 教育」面 教育ルネサンス 中学受験(1)より

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