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英語教育に関するニュース

英語教科化授業時間確保が課題

2020年の小学校での英語教科化へ向け、教員の数と質の確保だけでなく、授業時間の確保が課題となっています。文部科学省は授業時間のやりくりを各小学校の判断に委ねる方針ですが、どのような工夫が試みられていくのでしょうか。英語教育研究校の事例を紹介している下記の新聞記事から見てみましょう。


小学英語 授業時間が不足

2020~22年度に小中高校で順次実施される次期学習指導要領の中間報告が8月の中央教育審議会の部会で示された。思考力や表現力を高めるため、対話や発表を通じて主体的に学ぶ「アクティブ・ラーニング」を小中高校の全教科に導入。小学校では英語を教科化し、高校の地理歴史には必修の新科目を設ける。学校教育を大きく変える新しい学習指導要領の課題を探る。

◆次期学習指導要領の中間報告のポイント

英語教科化授業時間確保が課題表1G

9月27日午前8時20分、東京都立黒門小学校の5年1組。算数のプリントが配られると、児童23人が黙々と机に向かった。同小では、毎日、始業前の15分間を算数や国語のドリル、朝会などに充てている。こうした小学校は全国に数多い。担任教諭は「朝に単純な問題を反復練習することで気持ちが落ち着き、1時間目の授業にスムーズに入り、集中できる」と効果を説明する。

次期学習指導要領の目玉の一つは小学校の英語だ。歌やゲームで英語に親しむ5、6年の外国語活動(年35コマ、1コマは45分)を3、4年に前倒しし、5、6年では教科書を使う教科(年70コマ)に位置付ける。3~6年で週1コマ分の授業が増える計算だ。

◆黒門小5年1組の時間割

英語教科化授業時間確保が課題表2

11年度に実施された現在の学習指導要領は「脱ゆとり教育」で学ぶ内容を増やした。高学年の時間割はすでにびっしりだ。英語の授業時間確保に、文部科学省は10~15分間の朝の学習や夏休みの短縮、土曜授業などを想定しているが、全国一律の扱いとはせず、各校の判断にゆだねる方針だ。

黒門小校長は「すでに定着している朝の学習を動かすのは難しい。夏休みは家庭の予定や地域の行事がある。土曜日だと、教員の労働時間のやりくりという課題もある」と頭を悩ます。

文科省から英語教育研究校に指定されている山形県鶴岡市立朝暘(ちょうよう)第五小では15年度から、5、6年で週2コマの授業を行っている。
朝の登校時刻を5分早めて午前8時15分に、下校時刻を10分遅らせて午後4時10分とすることで1日15分の時間を捻出。週1コマ分は通常の授業、残る1コマ分は5時間目の授業が始まる前の15分間を使い、週3~4日、英語の短時間学習を行っている。

教務主任は「朝の学習で『話す』『聞く』を伴う英語を行うと、子供のテンションが上がり、1時間目の授業が落ち着かなくなると考え、昼の時間を活用した。この方法だと、子供はほぼ毎日英語に親しむことができる」と話す。
文科省は現在、小学校長や有識者らを集めたカリキュラムの検討会議を進めており、今年度内に報告書をまとめる。同省の担当者は「現場の不安に応え、時間割づくりの参考情報を提供したい」と話す。

しかし、授業時間の確保が課題なのは英語だけではない。小学校にも討論や発表を多用する「アクティブ・ラーニング」が導入され、その準備も含めて多くの時間がかかると予想される。コンピューターを使った「プログラミング教育」も必修化されるため、その時間も必要だ。習い事をしている子が多い都市部の学校からは「下校時間を遅らせるのは困難」との声も聞かれる。

文科省は20年度までに小学校の英語指導などを行う専科教員1260人、26年度までにアクティブ・ラーニングに対応する教員6900人をそれぞれ増員したい考えだが、財政難で十分な予算が確保できるか不透明な部分もある。

小中高で「アクティブ・ラーニング」導入

中教審の部会が示した次期学習指導要領の中間報告は、社会のグローバル化やIT化に対応するため、「知識技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力・人間性」の育成を掲げた。
小中高校に「アクティブ・ラーニング」を導入するのも、教員が一方的に知識を伝授する授業から脱却し、子供たちが調べ、考えたことを議論、発表する深い学びを目指しているためだ。
高校では日本と世界の近現代史を融合した「歴史総合」や主権者意識を育む「公共」など必修の新科目を創設し、数学や理科の枠を超えて多角的に学ぶ選択科目「理数探求」も導入する。
中間報告には「子供の可能性が広がる」との好意的な意見の一方、「理念先行で、現場の実情を理解していない」との批判もある。文科省は、中教審の答申を受けて年度内に小中学校の次期学習指導要領を告示する。高校は来年度の予定だ。


読売新聞 2016年10月6日(木) 朝刊 くらし・教育面「学ぶ 育む」
≪教育ルネサンス―次期学習指導要領の課題1≫より

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