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次期学習指導要領の改定方針

文部科学相の諮問機関である中央教育審議会(会長・北山禎介三井住友銀行会長)は2016年12月21日に、2020年度以降に小中高校で順次実施される次期学習指導要領の改定方針をまとめ、松野博一文科相に答申を行いました。

次期学習指導要領の改定は、今後の日本の教育にどのような変化と影響を与えるのでしょうか。本記事では、特に英語と、児童教育の部分に焦点を当てて、今後の行方を探ってみたいと思います。

重視されるようになっているポイント

次期学習指導要領改訂方針の中で特徴的な2つの点があります。

  • アクティブ・ラーニング(AL)を導入。
  • グローバル化する中で、小・中・高校では外国語教育を強化。

「アクティブラーニングについて」

アクティブラーニングはあまり耳慣れない言葉と思います。これがどのような学びのスタイルか簡単に言うと「討論などを通じて主体的に学習する方法」という事になるでしょう。その目的は、学びの中で生徒が実際にやってみて考える、意見を出し合って考える、わかりやすく情報をまとめ直す、応用問題を解く、などいろいろな活動を介してより深くわかるようになることや、よりうまくできるようになる事にあります。

今までの日本の教育はどちらかというと講義スタイルであり、一方的に先生に教えられて学ぶだけでしたが、これからは生徒が自分の考えを持ち、表現するようになることが求められるようになるとも言えます。

実はこうした学びのスタイルは既に欧米の教育において実践されているものです。いままでの日本の教育は、知識学習あるいは記憶学習に依存したものでしたが、これからは欧米的に、生徒が主体的な考え方や意見を持てるよう、さらにそれを言い表すスキルを培うような学校教育が行われることになりそうです。

こうした方向に傾こうとしている主な原因には、やはりグローバル化ということがあるに違いありません。これが次に取り上げる英語学習の強化とも密接に関係していると言えるでしょう。

今後の英語教育

小・中・高校において外国語教育が強化されるようになります。その背景としてビジネスや社会のグローバル化が挙げられるでしょう。さらに我々の身近なところでは東京で行われるオリンピックや、外国人観光客の増加に、その必要性の高まりを実感できると思います。
こうした背景を受けて、英語教育は小学校から重視されるようになります。

次期学習指導要領の改定方針の内容をみると、小学校で学ぶ英語は、これまで5、6年生が対象であった必須の外国語活動が3、4年生に前倒され、さらに5、6年生からは「教科」として正規の授業で小学生が英語を学ぶことが提言されています。つまり2020年からは小学校において全面的に英語が教科科目として教えられることになります。

現在の小学校の英語教育とこれから

現在、英語は小学校5、6年生で「必修」(外国語活動)でしかありませんが、2020年からは5、6年生で「教科」とされるようになります。何が違うかと言いますと、「教科」になると検定教科書(文科省の検定に合格した教科書)が使用され、テストが行われて通知表に数値による成績がつくようになります。

また小学校3、4年生から英語は「必修」とするようにという答申が行われています。「必修」とは文字通り必ず小学校で教えられなければならないという事であり、今までの5、6年生から引き下げられ、3、4年生から学年から英語は始めるという事です。ただし必修の場合は、教科とは異なり文科省検定の教科書がなく、成績も付くことはありません。

いずれにせよ、英語学習をより早くスタートさせる方向に日本の教育は進行しており、今後、その傾向はさらに加速するのではないかと予想されます。

どのように英語授業は強化されるのか?

英語強化の一環として、次期学習指導要領の改定方針ではALT(Assistant Language Teacher)という、日本人教師を補佐し、生きた英語を子どもたちに伝える英語を母語とする外国人を増加させようとしています。

「児童生徒が生きた外国語に触れる機会を一層充実するため、教員やALT等として、ネイティブ・スピーカーなど外国語が堪能な地域人材や外国語担当教員の退職者等、外部人材の受入れを推進する。

<中略>

全ての小学校にALT等が参画できるよう支援を行う。ALT等の質の向上を図るため、JETプログラムにより招致したALTへの研修のほか、教員用指導資料や外国語指導助手等の研修用資料などを充実する。」

とあり、ALT増員と、すべての小学校でALTによる英語授業のサポート体制を推進しようとしています。
また次期学習指導要領の改定方針では「コミュニケーション」が重視されていますので、ALTとの交流を通して、子どもたちが英語を積極的に使うようになる機会が増えるとともに、グローバル社会における「コミュニケーション」能力も磨かれることになるかもしれません。

改定の実現

先述した次期学習指導要領の改定方針は、2020年を目指して進んでゆくものであり、まだ施行されていませんが、今回の中央教育審議会からの答申を受けた松野博一文科相は「長年にわたり積み重ねてきた学術実践などの蓄積を生かしながら、多くの議論を重ねた結晶である」と述べ、次期学習指導要領の改訂向けた施策に力を注ぐことを示しています。
よって今後、日本の英語教育は重要度を増すとともに、低年齢の子どもからの英語学習のスタートが推進されるようになってゆくことでしょう。

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