ディズニー英語システム TOP > 乳児・幼児からの英語 > 英語教育に関するニュース > 特別免許状制度を活用し、英語教員不足を補う

英語教育に関するニュース

特別免許状制度

現在、英語はクラスの担任教員と補助教員であるALT(外国語指導助手)が協力して授業を行うケースが多くなっています。英語が正式な教科になると、到達目標をしっかり定めたカリキュラムにそって成果を出すために、より多くの英語ネイティブの指導者が求められることになります。このような指導者を確保するために、英語を母語とする民間人に特別免許状を付与し教員として採用する制度を活用している自治体もあります。詳しくは読売新聞の記事を見ていきましょう。

英語の授業が変わる―特別免許状 米出身の教諭

英語教育の現場では特別免許状を得た人材の活用が進んでいる。

「In pairs, talk about these questions and find answers. (ペアになってこれらの問題について話し合い、答えを見つけよう)」。6月上旬、京都市立凌風中学校1年の英語の授業。クラスのA教諭が教科書を見ながら英語で生徒たちに話しかけると、黒板には漢字交じりの日本語で説明を書いた。この教諭は特別免許状を得て、この春、京都市教委に正規の教員として採用された英語を母語とするネイティブスピーカーだ。

同市教委は、昨年度から教員採用試験に「英語ネイティブコース」を新設した。日本の学校での勤務歴が3年以上で、職務に必要な日本語能力があるなどの条件を満たせば、教員免許がなくても受験できる。A教諭を含む2人が合格し、京都府教委の審査を経て特別免許状を授与された。

米ノースカロライナ州出身のA教諭は、大学卒業後の2002年、国の国際交流事業「JETプログラム」で来日し、同市の外国指導助手(ALT)として小中学校で約10年間勤務した。その後、市教委のALT担当主事として、市に約50人いるALTの研修と生活支援を担当した。日本在住は約15年間に及び、その間、日本人女性と結婚し、日本に帰化した。

ALTは教員の補助という位置づけなので、単独で授業ができないなど制約が多く、通常は一人で複数の学校を受け持つ。A教諭もALT時代、毎週、5、6校の小中学校を回っていたが、「一つの学校で同じ子どもたちを指導すれば、もっと能力を引き出せるのに」ともどかしさを感じていたという。

今春からA教諭は、単独で教壇に立ち、指導案や定期試験の問題の作成、成績評価も行う。柔道部の顧問と1年生のクラスの副担任も務めている。「仕事量はALT時代より大幅に増えたが、子どもが理解してくれた表情を見るとやりがいを感じる」と語る。

また、市教委の採用担当者は、「今後、ネイティブの教員が、研修などで日本人教員の英語指導力向上に貢献してくれることを期待している」と話す。

特別免許状制度は、豊富な知識と経験を持つ一般人を登用し、学校教育の多様化を図ろうと、1989年に始まった。しかし、審査基準が厳しすぎる都道府県教委もあり、一人も採用がない年もあった。

そこで、文部科学省は2014年、教委が免許状を出しやすいように、「最低600時間以上の授業経験がある」などの審査基準の指針を示した。背景には、20年度の小学校英語の教科化によって英語教員の不足が懸念されることと、現在の教員の英語力が十分でないことがある。

京都市と同様の制度は広島県と広島市も14年度から始めた。英語を母語とする民間人に特別免許状を授与し、高校教員として採用している。県教委の担当者は「ネイティブならではの、すべて英語の授業で活躍してもらっている」と話している。


読売新聞 2016年7月9日(土) 朝刊 くらし・教育面「教育ルネサンス」 ≪英語の授業がかわる 5≫より

英語教育に関するニュース