英語教育に関するニュース

小学校での英語授業スタイル

中央教育審議会による学習指導要領の基本方針では、小学校高学年の英語教育をモジュール学習(または帯学習)で行う事を提示しています。

モジュール学習とは

モジュール学習とは、10分、15分などの時間を単位として取り組む学習形態です。
例えば15分を1モジュールとすると、モジュール3回分で一つの授業(45分)に相当します。

帯学習は、毎日の始業前や放課後に10分間程度行われる学習形態です。
1週間の時間割表で見ると帯のように並ぶことから、このように言われています。

適切な学習活動が行われていれば、モジュール学習や帯学習の時間は授業数としてカウントすることができます。

モジュール学習を採用する理由は

モジュール学習を採用する理由としては、以下が挙げられます。

・始業前や放課後の"隙間時間"を活用することができる。
・短時間でも毎日英語を聞いたり、話したり、読んだり、書いたりできるので英語により親しめる。
・英語指導に不慣れな担任の先生にも負担なく実施できる。

モジュール学習の活用状況

1)外国語活動等におけるモジュール学習の活用状況

平成26年度は4.7%の小学校が実施しており、平成27年度は5.4%の小学校が実施予定である。
平成26年度は2.7%の小学校がモジュール学習を「教育課程内」で実施と回答しています。
つまり、授業に含める学習形態を採用している小学校は、回答全体の2.7%にとどまっていることになります。平成27年度は2.9%の小学校が「教育課程内」に実施予定と回答しており、0.2ポイントの伸びとなっています。

2)モジュール学習における指導者および教材の状況

モジュール学習(教育課程内に実施)における指導者は、平成26年度は「学級担任」が70.3%と最も多く、次いで「学級担任及びALTなど」が21.0%でした。平成27年度は、「学級担任」が69.6%、「学級担任及びALTなど」が20.4%となっていて、横ばいです。

モジュール学習(教育課程内に実施)における使用教材は、平成26年度は「自作テキスト・絵カード」が65.3%と最も多く、次いで「市販テキスト・絵カード」が49.4%となっています。平成27年度もほぼ同様で、「自作テキスト・絵カード」64.8%、次いで「市販テキスト・絵カード」48.5%です。

ただし「自作テキストや絵カード」の作製は先生たちにとって負担が大きいため、文部科学省から配布される「Hi, friends!」という補助教材を使うことも多いようです。(市販もされています)

平成27年度の「Hi, friends!」の活用の状況をみてみましょう。

Hi, friends! テキスト・絵カード=31.6%

Hi, friends! デジタル教材=27.9%

Hi, friends! 補助教材ワークシート=8.6%

Hi, friends! Plus デジタル教材=8.8%。

先生たちが自作した補助教材とHi, friends!を組み合わせて使用するケースが多いと思われます。

3)週当たりのモジュール学習の実施状況(教育課程内に実施)

モジュール学習の週当たりの実施状況を見ると、平成26年度は「10分以上15分未満 かつ 週3回」が28.4%で最多、次いで「15分以上20分未満 かつ 週1回」が17.5%となっています。

平成27年度では、「10分以上15分未満 かつ 週3回」が26.4%、「15分以上20分未満 かつ 週1回」が16.3%、「5分以上10分未満 かつ 週4回以上」が8.8%となっています。
「15分以上20分未満 かつ 週3回」は平成26年度が4.0%であるのに対し、平成27年度は6.0%と2ポイントという高い伸びを示しています。

これから2020年に向け、小学校での英語教育が必修化されます。
これまで、「英語ノート」「Hi, friends」といった補助教材が作られてきました。平成27年度から平成28年度までは、「Hi, friends! Plus」という補助教材が一部の小学校で試験的に導入され、効果が検証されることになっています。
今後、文部科学省がどのような補助教材を開発するのか、また小学校の現場で先生たちが自作する補助教材がどのように変わってくるのか注目です。

※資料:文部科学省「平成27年度 英語教育実施状況調査(小学校)の結果概要」

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