英語教育に関するニュース

大阪の公立小学校

平成32年度から始まる小学校での英語教育全面実施に向けて、日本中の小学校で様々な取り組みが積極的に進められています。

今回は大阪の公立小学校でどのような英語教育が行われているかを取り上げてみたいと思います。

「大阪府公立小学校英語学習6ヶ年プログラム」

大阪府では、小学校英語学習6ヶ年プログラム『DREAM』を導入しています。これは小学校に在学する6年間の学習を通じて、国際コミュニケーションツールである英語を使って、自分の夢(DREAM)を語ることができるよう子供たちをサポートする取り組みです。この『DREAM』は大阪府オリジナルの英語学習プログラムであり、この『夢:DREAM』と名付けられたプログラムには以下のような5つの意味と特徴があります。

Develop 4 skills
 英語の4技能(聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと)の育成

Round style
 繰り返し行う積み重ね方式

Epoch-making
 時代を先取る

All in one
 使いやすさの工夫

Mapping the Future
 未来を見据えて

Develop 4 skills(4技能)

コミュニケーションに不可欠な4技能(聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと)をバランスよく育成するプログラムです。英語の4技能をバランスよく身に付けるため、英語の綴り字(文字)と発音(音) の関係を重視したフォニックスという指導法を活用しています。

このフォニックスとは英語の学習方法のひとつで、スペル(綴り)と音との関係のルールを覚えることで、正しい読み方を理解できるようになります。この学習方法は、英語圏の子供(ネイティブ)や、外国人に英語の読み方を教えるのに効果的な方法として世界で実際に使われているものです。

フォニックスを通じてスペルと音のルールを理解できると、初めて見る単語でも読む(発音する)ことができます。

Round style(繰り返しと積み重ね)

週3回、1回15分程度、英語のDVDを視聴します。子供たちが繰り返し英語に触れる機会を持つことで、自然に英語に接しそれを身に付けることが出来るよう先生たちがサポートを行っています。

先生は英語のコミュニケーションのモデルを子供たちに示したり、楽しんで学習する雰囲気づくりにも注力しています。子供たちに英語学習の「気づき」を促すことも重要な役割です。

Epoch-making(時代を先取る)

大阪府はこの英語プログラムを、グローバル化の進展を見据えて開発しています。

子供たちが学んだ英語を「使う」ようになることを意識して、カリキュラムが開発されています。教材は日常に即した表現に基づいたものですので、子供たちはフレーズや単語を聴いて発音をマネしてみることで、自発的にコミュニケーションする力を身につけられるようになります。

All in one(使いやすさの工夫)

大阪府は6つのグレード(レベル)を設定しており、それぞれのグレードごとに英語の物語、歌、ジングル等の学習素材を1枚のDVDにまとめています。

またCD-ROMも準備されており、こちらにはレッスンシナリオ、ラウンドクイズ(ふりかえりクイズ)、ワークシート等といったサポート教材が収録されています。

教材がレベルごとにまとめられているので、英語を専門としない先生でも使いやすい教材となっています。

Mapping the Future(未来を見据えて)

『DREAM』は大阪の子どもたちが将来、英語を使ってコミュニケーションを図る姿をイメージして作成されています。このプログラムは大阪府内の公立小学校での実践研究から得られた成果を生かして制作されているので、大阪という地域に根差したオリジナルプログラムであると言えます。

高校の入試で外部検定を導入

大阪府は平成29年度高等学校入学者選抜から、学力検査「英語」において、外部機関が認証した英語力判定テスト(TOEFL iBT、IELTS及び実用英語技能検定を対象)のスコア等を活用することとしています。

例えば、TOEFL iBTが55点の生徒が、当日の英語の学力検査の得点が70点であった。その場合、この生徒の英語の学力検査の成績は、「最低保障する点数」である81点として、総合点を算出することになります。

この改革は「実践的に使える」英語教育に向けた施策の一つであり、入学者選抜で試される「読む・聞く・書く」力を基礎に、高校卒業時には、「話す」力を含め、TOEFL iBT等で求められる高いレベルの4技能を駆使できる英語力の育成をめざしたものです。

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