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専門家の先生による、英語教育に関する記事

佐藤先生
今回の玉川大学 佐藤 久美子先生のエッセイでは、毎月の連載の最終回として、ディズニー英語システム(DWE)をどのように進めたら良いかについて、アドバイスをいただきました。
DWEを購入され、ご自宅でお子さまと英語活動に携わっていらっしゃる保護者の方は、①どの順番で教材を使ったら良いのだろうか、②あまり進歩している様子が目に見えないが、このまま子供が好きな教材だけを使い続けても良いのだろうか、というお悩みがあると思います。
そこで、今回は0歳からDWEを使い続けて、現在3歳半のIちゃんを例に取りながら、皆さまのお悩みにお答えしたいと思います。

Key Word1.0歳児からでもスタートできる

「0歳児から英語をスタートしよう!」というと、驚かれる方も多いと思いますが、第二言語(英語)の獲得には、なるべく早くから始めることが大切な要素の1つです。

0歳児から英語をスタートしたのと、3歳から始めた場合と大きく異なることは、例えば英語で本を読んでも違和感がないことです。

3歳から英語を始めた子供たちは、「言っていることがわからない」「ちゃんと日本語で読んで」と要求しますが、0歳児から英語に触れている子供は、3歳になった時には集中して英語の絵本を聞くことができます。

さらに、CD付きの絵本であれば5、6回聞いただけで、まるで本を読んでいるように絵本の英語を暗記することができます。自然に、英語のリスニング力がつきます。

Key Word 2.『プレイ・アロング』は人気の教材

『プレイ・アロング』は、0~1歳児にとても人気があります。

映像に出てくる子供と同じおもちゃを持って、一緒に遊んでいるように楽しんでいました。"Shake, shake, shake!"と映像が言うと、一緒におもちゃを振っていました。

3歳くらいになると、歌番組で踊る歌手たちと同じジェスチャーをしながら歌いますが、子供は幼い頃から一体感を求め、一緒に遊んでいる気分になることを好むのだと思います。

Key Word 3.各教材の内容がリンクしていることを活用しよう

DWEの魅力は、各教材の内容がリンクしているところです。

例えば、『ストレート・プレイ』の映像に出てくるストーリーは、『ミッキー・マジックペン・セット』『トークアロング・カード』でも、リンクした内容が出てくるため、自然と復習でき、英語が定着しやすくなります。

中でも、『ミッキー・マジックペン・セット』では、子供が音声ペンを持ち自主的に自分の興味があるものをタッチして学べます。音声ペンの魅力はとても大きく、例えば小学生でも、音声ペン付の英語辞典などを与えると喜んで使います。先生に毎回発音を聞くのは抵抗を感じるらしく、音声ペンがあれば何回でも聞けるので嬉しい、という小学生も少なくありません。

Key Word 4.歌で覚えた表現が自然に使える

歌の教材である『シング・アロング』に出てくる最初の歌は、自己紹介の歌です。

ミッキー、ミニーたちが自己紹介するので、自然にIちゃんも"My name is I○○. What's your name?"と言うことができるようになりました。先ほどご紹介したように他の教材でも同じフレーズを使っていますので、自然に表現が言えるようになったのです。外国人に話しかけられたときも、流暢に、即座に自己紹介のフレーズを使っていました。

このIちゃんは、1~2歳の頃は『シング・アロング』の歌を好んで聞いていたそうです。

その歌のフレーズが日常生活に使える表現なので、繰り返し聞いて歌えば、反復練習になるのです。発話が可能になるには、繰り返し発話することが何より大切です。
子供は時に、同じことを複数回たずねることがありますが、飽きずに答えてあげましょう。5、6回反復すると、納得したような表情になります。豊富なインプットはアウトプットにつながります。

Key Word 5.同じ本で何回も学び、文字に関心が出てくる

例えば、音声ペンがついている『ミッキー・マジックペン・セット』を使うときに、1~2歳の頃は絵ばかりに注目していたのが、3歳くらいになるとタイトルやタイトルのアルファベットをタッチして、文字を見るようになります。

Meet Mickey and his friends!というページでは、アルファベットをタッチすると、"M" "e" "e" "t"のようにマジックペンが発音してくれますので、Iちゃんもマネして発音します。

他にも、『ミッキー・マジックペン・アドベンチャー・セット』に入っているアクティビティ・カードにIちゃんが挑戦していることは以前ご紹介しました。

アクティビティ・カードにはbedroom(寝室)・bathroom(お風呂)・living room(居間)・dining room(食堂)・kitchen(台所)の5枚のカードがあり、家具が置かれていない各部屋の絵が描かれているので、ソファや冷蔵庫といった家具や家電のシールを貼って遊べます。こちらは、もっぱらリスニング教材になります。

まずはリスニング教材でたっぷりインプットが得られると、これが少し時間をおいてからアウトプット=発話につながります。そして、さらに覚えたフレーズが使える状況に出会うと、自然に覚えた発話が使えます。その次に、【+α】の応答などができるようになっていきます。

佐藤先生

母(公園に咲いているピンク色の花を見て):"I like pink flowers."
(ママはピンクのお花が好きだわ。)

Iちゃん:"〇〇(自分の名前), too."
(○○〈自分の名前〉も、好き。)

"Me, too."ではなく、普段自分のことを名前で呼んでいるので、自分の名前に置き換えて答えました。

"What beautiful flowers!"
(何てきれいなお花!)

これは、覚えた表現通りではなく、応用会話に発展しています。ママが英語で話しかけたので、英語の答えが返ってきました。英語で話しかけなければ、Iちゃんにこんな応用力があることには気が付かなかったでしょう。

アクティビティ・カードのリスニングレベルは、以下の通りかなり高度です。

"I want to make my sandwich in the dining room, but it's empty."
(ダイニング・ルームでサンドイッチを作りたいんだけど、お部屋が空っぽだわ。)

"Where is everything?"
(みんな、どこにあるの?)

"Where are the curtains?"
(カーテンはどこ?)

"Please find the curtains for Minnie."
(ミニーのために、カーテンを探してね。)

つまり、インプットのリスニングをたくさん浴びて、その後発話が出るには間があります。しかも、日常生活では英語で話しかけないと、英語の発話が出てきませんが、実は話せるようになる準備ができているのです。

いかがでしたか?

今後、Iちゃんが4歳、5歳、6歳と成長して、どんなふうにDWEの教材を使い、学習し、英語を獲得していくかまた機会を見てご紹介しますね。

皆さんに最後にお伝えしたいことは、言葉の獲得の速さには個人差があるということです。日本語と同様に、第二言語である英語の獲得の速さも、子供によって差があります。焦らず、教材もその子供の興味やペースに合わせて、ゆっくりと学習していただきたいと思います。

何より大切なことは、保護者と英語を通して共通の楽しいひと時を過ごすことだと思います。


佐藤先生近影

佐藤 久美子先生

玉川大学大学院 教育学研究科(教職専攻) 脳科学研究所 教授。
長年、子供の言語獲得・発達の過程を研究し、研究から得られた科学的知見を外国語としての英語教育に応用し、指導法や教材開発を行う。
2016年の3月まで、NHKラジオの「基礎英語3」の講師を通算8年務め、テキスト執筆や番組のプログラムに知見を活かす。さらに、2012年度からNHK eテレの「えいごであそぼ」、「えいごであそぼwith Orton」の総合指導を担当。

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