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英語入試の評価基準に使われるCEFRとは?

英語の入試や資格試験の場で、CEFRという言葉を見ることが増えてきました。
CEFRはヨーロッパで作られた外国語の運用能力を測るための尺度で、2020年以降の大学入試ではCEFRを活用して英語の4技能が測られることになります。
CEFRが今後日本の入試でどう活用されていくのか、新聞記事から見てみましょう。


英語力の尺度「CEFR」とは?

欧州発の仕組み 民間試験の比較に導入

2020年から始まる大学入学共通テストでは、「読む・聞く・話す・書く」という英語の4技能を測るため、民間試験が導入される。異なる試験の成績を比較するのに、文部科学省が使うのが「ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)」という耳慣れない仕組みだ。「CEFR」は誰がどのような目的で作ったのか、文科省の活用方法は適切なのか。専門家に聞いた。
(編集委員・氏岡真弓)

◎英語の民間試験の活用
文部科学省は2020年度から始まる大学入学共通テストで「読む・聞く・書く・話す」という英語の4技能を測る。だが数十万人が一斉に受験するテストでは「話す」「書く」力を測ることが難しいため、民間試験を活用することになった。
初年度は8種類の試験が大学入試センターによって認められた。受験生は高校3年の4~12月に受けた2回の試験の成績を大学に出し、評価を受ける。23年度までには入試センターが「読む・聞く」の2技能を測るためのテストも実施する。

■ どんな指標
「何ができる」6段階で

CEFRの正式名称は「外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠」。欧州内で他国とのコミュニケーションが重視されるようになり、20年以上の研究を経て、欧州評議会が2001年に正式に発表した。
特徴は、各国の言語の単語や文法の知識を「知っているか」ではなく、言語を使って「何ができるか」に注目した点だ。その結果、異なる言語でも「能力」を比べられる尺度がつくり出された。

<理解><話す><書く>

CEFRは、言語の能力を≪理解する≫ ≪話す≫ ≪書く≫に分類している。≪理解する≫は<聞く>と<読む>に、≪話す≫は、<やりとり>と<表現>に細かく分けた。
そのうえで、それぞれの能力についてA(基礎)、B(自立)、C(熟達)の3レベルを設定し、各レベルを「1」と「2」に分けることで、6段階の評価を可能にした。

言語を使う人が、自分の能力がどのレベルに達しているのかわかるように、具体的な能力も例文で示した。例えば≪聞く≫であれば、最も初歩的なA1は「はっきりとゆっくりと話してもらえれば、聞き慣れた語や基本的な表現を認識できる」。C2まで進むと「生であれ、放送された内容であれ、母語話者の速いスピードで話されても、いかなる話し言葉も難無く理解できる」となる。

■ どう使う
大学側の利用に課題も

文科省は以前から、CEFRの活用を進めている。13年には、学習の到達目標を設定する手引きで「CEFRを参照することが可能」と紹介。現在は中高生の英語教育の目標として5割以上の生徒が「中卒段階でA1レベル相当以上」「高卒段階でA2レベル相当以上」に達することを掲げている。
大学入学共通テストで使うのは、多様な民間試験を活用するためだ。それぞれの試験が以前から成績に応じてCEFRのレベルを示していることを踏まえ、「違う試験のスコアを比べるのに使った」と文科省の担当者は説明する。
ただ、各テストの目的はバラバラだ。例えば「TOEIC」はビジネス場面で使う英語力を、「TOEFL iBT」は英語圏への留学生らの力を測る。「GTEC」はベネッセが中高生向けに開発した試験だ。

「合格判定は工夫を」

日本版CEFR「CEFR-J」の研究代表の投野由紀夫・東京外国語大教授(英語教育学)は「4技能試験の導入そのものには賛成だが、大学サイドがCEFR判定をどう利用するかが問題だ」と語る。「受験資格や試験免除などの基準として使う一方、英語で1点刻みの合否判定が必要な場合は、利用する4技能試験の種類を統一する、独自に個別試験を課す、などの工夫をすれば機能するだろう」という。

欧州が増補版―文科省は静観

CEFR自体も変化している。欧州評議会は昨年2月、200ページ以上の増補版を公表した。A1の下に「A1未満」を設けるなどレベルを細分化したほか、新たに《媒介》も能力に加えた。「オンライン上のやりとり」の力の例文も設けた。
文科省は「増補版は本体を変えるものではない」としており、すぐにCEFRの使い方を見直す予定はない。当面は、テスト会社の動きを見極めるという。
増補版を発表した欧州評議会の担当者は「変化を反映すべきかどうか、入試に使うかどうかは、日本自身の問題だ」という立場だ。

〔CEFRの概念図〕

理解する 話す 書く
聞く 読む やりとり 表現 書く

<理解する>は「聞く」と「読む」に分かれる。「聞く」をさらに解説すると下記のようになる。

レベル<聞く>の能力別基準(抜粋)
熟達 C2 生であれ、放送された内容であれ、母語話者の早いスピードで話されても、いかなる話し言葉も難無く理解できる
C1 構成がはっきりしていなくても、長い話が理解できる。努力しなくてもテレビ番組や映画を理解できる
自立 B2 ある程度身近な事柄に関する内容であれば、長い会話や講義が理解できる。映画の会話も標準語なら分かる
B1 仕事や学校などで日常的に触れる話題に関する、はっきりとした会話は要点を理解できる
基礎 A2 身近な分野に関する言葉や表現が理解できる。短い、簡単なメッセージの要点をつかめる
A1 はっきりとゆっくりと話してもらえれば、聞き慣れた語や基本的な表現を認識できる



朝日新聞 2019年2月13日 教育欄 <変わる2020大学入試>より

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※本記事については記事掲載時点の情報です。
2019年11月1日付で文部科学省は、2020年度からの「大学入試英語成績提供システム」導入の見送りを発表いたしました。
最新情報は、新しい記事でお届けいたします。(2019/11/15加筆)

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